鴻海精密工業の第1四半期利益は過去最高、アップル向けが追い風
2014/05/15 台湾電子製品の受託生産世界最大手の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW)が14日発表した第1・四半期決算は、主な納入先の米アップル(AAPL.O)からの需要増が追い風となり、純利益が第1・四半期として過去最高となった。 純利益は前年同期比19.5%増の195億4000万台湾ドル(6億4760万米ドル)。予想平均の181億8000万台湾ドルを上回った。香港証券取引所で鴻海の株価は前日終値比0.3%高で終了した。
アナリストの推計によると、鴻海はアップルのiPhone(アイフォーン)など向けの部品の生産から収益の最大60%を稼ぎ出している。 アイフォーンなどのスマートフォン(多機能携帯電話)は先進国ではかなり普及が進んでいるため、鴻海のアップルへの依存度が高くなっていることは、同社の経営に功罪両面の影響を及ぼすとの見方も出ている。 調査会社のIDCは、スマートフォンの世界販売台数の伸び率は2014年は前年比19%と、前年の39%から鈍化し、2014─18年の平均伸び率は11.5%にとどまると予想。
販売台数が大きく伸びているのは新興国だが、こうした国では低価格モデルが主流になっている。ユアンタ証券のアナリスト、ビンセント・チェン氏は、「販売台数の伸び鈍化により鴻海の収益は将来的に損なわれる恐れがある」とし、「郭台銘(テリー・ゴウ)会長が成長の原動力を多角化する必要があるとしているのはこのためだ」と述べた。
鴻海は多角化の一環として、年内の第4世代(4G)通信事業への参入を予定。この他、クラウドコンピューティング事業向けにソフトウエア開発者を大量に採用するなどしている。
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