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米「ウェンディーズ」の出店を阻み続けるオランダの「Wendy’s」

2024/04/17 国際

オランダ南西部ゼーラント州の小さな軽食店が、米国の大手ファーストフードチェーンのベネルクス出店計画を阻むというのは、まるでピカレスク小説(スペイン発祥とする悪漢のヒーローが冒険を繰り広げる小説で、ピカレスクとは「悪党」の意のスペイン語「picaro」より)のようだが、商標登録がいかに重要かを物語っている。 

 

Wendy’s」がベネルクスで商標登録されていなければ、米国ウェンディーズをこの地域から排除する力はなかっただろう。

 

四半世紀にわたる係争を一言で言えば、こうなる: 米国ウェンディーズは1980年代にオランダでフランチャイズ店をオープンしたがその後すぐに閉店した。1980年代後半、「Wendy’s」と名乗る軽食店がオランダのゼーラント州で開店し、その名前がベネルクスで商標登録された。米国ウェンディーズがオランダで店舗を再開した際、この軽食店のオーナーは裁判を起こし、2013年に最高裁判所は軽食店を支持する判決を下した。

 

米国ウェンディーズはその後、ベネルクス商標の取消しを求めたが、結局のところ、ベネルクス全体に支店は1つしかなく、それでは有効なベネルクス商標を主張するには十分ではなかったのではないだろうか?米国ウェンディーズにとって不運だったのは、ベネルクス商標には最低使用要件(minimum-use requirement)がなかったことで、ここでも勝つことができなかった。

 

軽食店「Wendy’s」は、裁判で勝った後もそれで満足していない。すでに欧州で商標登録され、使用されている米国ウェンディーズの欧州商標「WENDY’S」に対して取消請求を行っており、すでに2件で軽食店に有利な決定が下された。

 

また、軽食店は米国のファーストフードチェーンによる「WENDY’S」を含む新たな欧州商標の出願についても異議申立を行っている。欧州商標の登録にはベネルクスも含まれるため、先行するベネルクス商標の所有者は欧州出願全体を阻止することが可能だ。大企業にとって、欧州各国に対して個別に商標出願を行うことはとても大きな問題となる。要するに、米国ウェンディーズは小さな軽食店の呪縛からまだ逃れられていないのだ。

 

面白い事実:米国のある都市伝説の背景にもなっている。ウェンディーズの店内で、誰かがハンバーガーとポテトを食べていると、どこからともなく名優ビル・マーレーが現れ、皿からポテトを手づかみで取り、ポテトを食べてこう言うのだ:「誰も君の言うことを信じないよ」と。

 

本文章は『TMfesta』から転載されたものです。

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