GoogleがオーディオメーカーのSonosに敗訴、スマートスピーカーの特許権侵害訴訟で
2021/05/13 国際「Googleのスマートスピーカーが5つの特許に関する100件以上の侵害を行っている」として同社を訴えたオーディオメーカー・Sonosが、ドイツでの裁判で勝訴したことが発表されました。もし両社が和解に達することができなければ、Googleはドイツ国内でスマートスピーカーやスマートフォンを販売することができなくなり、さらにはYouTube Musicのアプリの配信まで停止しなければならなくなると報じられています。
Sonosは2021年5月12日に発表した第2四半期決算報告で、ドイツの裁判所がGoogleによる特許侵害を認める判決を下したと発表しました。判決の中でドイツの裁判所はGoogleに対し、Google Cast技術を使用した製品の販売差し止めを命じる仮処分を行いました。
ドイツの裁判所が特許侵害だと認めた技術は、Googleのスマートスピーカーやメディアプレーヤー、スマートフォンなどに広く使用されており、Googleはこれらの製品をドイツ国内で販売できなくなるおそれがあります。また、場合によってはYouTube Musicの配信も見合わせなければならなくなる可能性があるとのこと。
Sonosの最高法務責任者であるエディー・ラザルス氏は「裁判所が、Googleによる露骨なIP侵害を認めたことに感謝しています。この判決はイノベーションを擁護し、ビッグ・テックの不公正な慣行に立ち向かうための取り組みに希望を与えるマイルストーンとなるでしょう」とコメントしました。また、Google側の対応について海外メディアのProtocolは、「判決文が公開されていないので詳細は不明ですが、Googleがこの判決を不服として控訴するのはほぼ間違いないと見られています」と述べました。
Sonosが2020年1月に起こした特許権侵害訴訟に対抗し、GoogleもSonosを訴えており、両社の争訟は国際貿易委員会に持ち込まれました。また、両社はアメリカやドイツのほか、カナダ・フランス・オランダでも争っています。
なお、Sonosの決算報告では、同社の2021年第2四半期における売上高が3億3290万ドル(約364億8284万円)に達し、純利益は前年同期比で90%増の1720万ドル(約18億8496万円)を記録したことも明らかになっています。Sonosのパトリック・スペンスCEOはProtocolに対し、「ポータブルスピーカーであるSonos Roamのような新しいカテゴリーの製品により当社は上昇気流に乗っています」と話しました。
※本文章は『Gigazine』から転載されたものです。