「専用権放棄声明の審査基準」改訂草案の公告
2023/05/15 台湾www.tipo.gov.tw/tw/cp-86-922208-73400-1.html
専用権放棄(不専用)声明制度が施行されて久しく、現在のインターネットマーケティング等の新形態のビジネスモデルが生み出され、商標の表現形式及び使用形態も多様化も大きく変化し、商標が商標権の範囲に疑義を生じるおそれがあるか否かの判断について、実務上認定し難くなってきたことを鑑み、また、2022年9月1日の商標識別性審査基準の改訂に合わせて、「専用権放棄声明の審査基準」改訂草案を起草した。
改訂ポイントは以下のとおり:
(1) 商標図案において識別性を有しない部分について「商標権の範囲に疑義を生じるおそれがある」か否かの考慮要素を明文化
1. 図案中の識別性を有しない部分が、指定商品又は役務に関する説明であるが、出願人が創り出したもの、又は業者が使用することが稀な文字の組合せで、出願人が当該部分について単独で権利主張することができると誤解する可能性があり、かつ、消費者及び競業他社が商標図案中の当該部分が商標権を取得できるか否かに疑義を生じやすい場合には、専用権放棄の声明をしなければならない。
2. 説明性及び慣用名称以外のその他識別性を有しない標識、例えば、氏名、標語(キャッチフレーズ)、成語、流行語等の説明性を有しない文字で、業者が通常好んで使用するもの、又はその専用を取得したいと思うもので、これらの標識が識別性を有しないと判断された場合、出願人が当該部分について権利を主張することができると思わないよう、原則的に専用権放棄の声明をしなければならない。
3. 二つ以上のアラビア数字、型番、記号等が識別性を有しないと認定された場合、原則的には専用権放棄の声明をしなければならない。ただし、数字の説明的意図が明確である場合(例:規格、数量、時間、年代等)で、かつ、業界が常用するものである場合、商標権の範囲に疑義を生じるおそれがないと認定できる場合はこの限りではない。
4. 識別性を有しない部分が図案の中で表示されている位置、フォントサイズ又は占める割合が、出願人に当該部分について商標権を取得したいと思わせる可能性があると判断した場合(例:商標図案中の識別性を有しない部分が、デザインにより、特別に大きく、又は目立つものになり、当該部分の文字又は図形が権利取得できるか否かについて疑義を生じるおそれがある場合)、専用権放棄の声明をしなければならない。
(2) 専用権放棄声明が必要ない状況の明確化
1. 図案中の識別性を有しない部分が、本局が公告した「専用権放棄をする必要がない例示事項」である場合、商標権の範囲に疑義を生じるおそれがないこととなり、専用権放棄の声明をする必要はない。
2. 審査時に関連する証拠が、識別性を有しない事項がすでに同業及び公衆で指定商品又は役務において経常的に使用されている、又は商品又は役務の特性を分かりやすく描写しただけで、商品又は役務を直接明らかに説明したものであり、商標権者及び同業者がいずれも商標権の範囲に疑義を生じるおそれがない場合、専用権放棄の声明をする必要はない。
(3) 数字、標語(キャッチフレーズ)、成語、流行語等の識別性を有しない事項が、専用権放棄の声明をすべきか否かの判断原則について、事例を挙げて説明。特に、市場でよく見受けられる祈願的、又は宣伝的広告用語、又は数字について、消費者及び競業他社が商標権者に対し、当該用語又は数字の専用権を取得していないことについて疑義を生じない場合、専用権放棄を声明する必要はない。
(4) 会社名称、ドメイン又は説明性の図等のビジネス上の純粋な情報的事項で、商標の一部に属さない部分は、登録出願する商標権の範囲を明確にするため、削除しなければならず、これについても実務事例及び説明を追加した。
※本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです。