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台北地方裁判所2016年度智易字第2号刑事判決

2016/02/25 IP 判決

被告人 戚務筠

 

主文:

被告人を懲役40日に処する。

罰金を科す場合は、1日を新台幣1,000元に換算する。

この裁判確定の日から2年間その刑の執行を猶予する。

 

事実:

1.     「薇霓肌本」は、昶虹貿易有限会社(以下「昶虹会社」という)の商標であり、「輸出入に関する事務の代理、国内外企業の製品の見積もり・取次販売・入札に関する事務の代理、商業に関する情報の提供、化学製品の小売り、薬剤の小売り、インターネットによる商品の通信販売」を指定商品・役務として登録され、現に有効に存続している。このため、商標権者以外の者は、指定商品・役務と同一又は類似の商品・役務に、「薇霓肌本」の商標と同一又は類似の商標の使用が禁止される。

2.     被告人は、上記のことを知りながら、2013年9月23日、2014年10月13日、2014年10月30日、2014年11月11日に、自宅でパソコンを使ってインターネットに接続し、昶虹会社の許諾を得ずに、SNSサイトのPIXNETに開設した「美國專業代購@EFORLOVE-衣瘋樂」というブログ、及びFacebookのサイトに開設した「E For Love -衣瘋樂」というファンページにおいて、「薇霓肌本」の商標を米国から並行輸入された「VANICREAM」のシリーズ商品の販売に関する記事に使用し、同一の指定商品及び役務に昶虹会社の上記商標と同一のものを使用した。

 

判決の旨:

1.     並行輸入品によっては、国内の消費者にとって選択の幅が広がり、自由競争の利益を得られ、価格の合理化を促進することが可能となる。しかし、国際消尽原則によると、並行輸入された「真正商品本体」についてのみ商標権の主張ができず、商標権者からの広告やマーケティングへの巨額費用により築き上げた商品の知名度や市場占有率は、並行輸入品の輸入者に利用されないようにするためには、それ以外の商標に係わる使用行為、例えばインターネットで商標が付された商品の画像を掲載して販売すること、又は並行輸入品に関する広告に商標権者の商標を使用することなどは、商標法により保護されるべきである。

2.     そうすると、被告人が告訴人の「薇霓肌本」の商標を、上記ブログやファンページに米国並行輸入品である「VANICREAM」のシリーズ商品の販売に関する記事に使用する場合、「薇霓肌本」の商標を並行輸入された「VANICREAM」の真正商品に使用しなかったものの、告訴人は上記商標に係わる商標権を主張することができ、国際消尽を認めるべきでない。従って、告訴人の商標と同一の商標を同一の指定商品及び役務に使用した被告人行為は、商標権侵害とすべきである。

3. 以上のとおり、被告人は刑事訴訟法第273条の1第1項、第299条第1項前段、商標法第95条第1号、刑法第11条前段、第41条第1項前段、第74条第1項第1号に該当する。よって、主文のとおり判決する。

經通國際智慧產權事務所

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