2020年上半期の知財統計情報
2020/07/28 IP 統計https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-879725-3a441-1.html
2020年上半期における特許、実用新案、意匠の三種の専利の新規出願件数は、33,954件(前年同期比4%減 )となり、また商標登録出願件数は43,385件で過去最高を更新し(表1参照)、台湾人による特許及び商標出願件数はいずれもプラス成長を維持した。特許出願人のうち、台積電(TSMC)及びクアルコムはそれぞれ台湾法人、外国法人の1位となった。このほか、台湾の中小企業による特許出願件数は前年同期比14%増と顕著な成長ぶりを見せた。
一、 今期の専利出願の動向
(一) 台湾の中小企業による特許出願件数は飛躍的な成長
台湾企業による特許出願件数は前年同期比1%増となり、台湾人特許出願件数全体に占める割合は75%を超え(図2参照)、研究開発イノベーションの主力となった。そのうち、中小企業の出願件数は前年同期比14%増となり、2年連続で10%以上のプラス成長を維持した。
出願人については、台積電(TSMC)が375件と最も多く、4年連続で台湾法人の首位を占め、メディアテック(211件)、友達(AUO、210件)がそれぞれ2位、3位となった。
(二) 成功大学の特許出願件数は台湾における高等教育機関のトップ
台湾の高等教育機関による特許出願件数の合計は前年同期比19%増となり、主要高等教育機関の出願件数が顕著に成長した。出願人別でみると、国立成功大学が56件で2015年の上半期以来、再びトップに踊り出た。私立大学では、崑山科技大学が36件と最も多く、前年同期比125%増となった。このほか、国公立大学と私立大学の特許出願件数の割合はそれぞれ60%、40%となった。
(三) 工業技術研究院の特許出願件数は他の研究機関をリード
台湾の研究機関全体の特許出願件数は前年同期比2%増と小幅な増加で、工業技術研究院(ITRI)は98件(前年同期比21%増)と最も多く、2位の財団法人紡織産業綜合研究所(19件)等その他の研究機関を大きく引き離した。
(四) 外国人法人のクアルコム及びフォード・モーターはそれぞれ特許及び意匠出願に積極的
外国人による特許出願件数を国籍別にみると、日本が6,105件と最も多く、出願人別では米国クアルコムが304件と最も多く、前年同期比14%増となった。意匠出願件数も同様に国籍別では日本が497件と最も多く、出願人別では米国フォード・モーターが114件で最多となった。
二、 今期の商標出願の動向
(一) 台湾人による出願件数が過去最高
商標登録出願受理件数は43,385件で前年同期比3%増となった。台湾人による出願件数は32,843件(前年同期比10%増)と2000年以来の最高を記録したが、外国人による出願件数は10,542件で、マイナス成長となった。
台湾人による出願件数が全体に占める割合は、2019年上半期の71%から2020年上半期の76%にまで上昇し、台湾人による出願の増加傾向がみられる。
(二) 台湾人による出願件数は第35類が最多
台湾人による出願において、第35類(広告、企業経営等)が5,955件と最も多く、類別上位5区分はいずれもプラス成長となり、第5類(薬品等)が前年同期比24%増と増加幅が最高となった。出願件数では統一企業が228件で1位となった。
(三) 外国人による出願件数は第9類が最多
外国人による出願件数を国籍別にみると、中国が2,289件で首位となり、第9類(コンピュータ及びテクノロジー商品等)への出願が2,100件と最も多かったが、類別上位5区分はいずれも衰退状況にある。出願人別ではファーウェイ(華為)が95件で最多となった。
※2020年上半期季報は、下記リンク先の知的財産局サイトの「統計季報」を参照。
https://www.tipo.gov.tw/tw/lp-167-1.html
※本文章は『台湾知的財産権ニュース』から転載されたものです。