智慧局における2025年第3四半期の知的財産権動向
2025/10/31 IP 統計www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/799-63194.html
一、専利商標全体の出願動向
2025年第3四半期に台湾で受理した三種類の専利(特許、実用新案、意匠)の出願件数は合計17,991件(特許12,695件、実用新案3,608件、意匠1,688件)で、前年(2024年)同期比2%減となり、このうち特許は0.3%減の微減となった(図1参照)。台湾人と外国人による3種の専利出願件数の割合は、それぞれ49.5%と50.5%であった。台湾人と外国人による出願件数は、前年同期比でそれぞれ1%減、2%減となった。
商標登録出願受理件数は27,038件(34,043区分)で前年同期比16%増となり(図2参照)、このうち台湾人出願人が79%、外国人出願人が21%を占めた。商標出願件数は、四半期ベースで1998年第4四半期以来の最高記録となっており、また、台湾人出願人の出願件数は初めて2万件を超えた。
二、台湾出願人による専利出願状況
(一)特許出願件数の上位10位出願人
台湾出願人による特許出願は4,776件、そのうち企業による出願は3,727件であり、78%を占めた。特許出願件数上位10出願人は、台湾積体電路製造(TSMC)が出願件数283件で1位となり、以降、友達光電(AUO)91件、南亜科技(NANYA)87件、英業達(Inventec)82件、台達電(DELTA)78件、鴻海(Foxconn)76件、聯發科(MediaTek)70件、瑞昱(Realtek)69件、聯電(UMC)52件、群創(INNOLUX)44件と続いた(図4参照)。TSMCは2016年第3四半期から10年連続で首位となっている。
(二)意匠出願件数の上位5出願人
台湾出願人による意匠出願は855件となった。出願件数上位5出願人は、聯府塑膠(KEYWAY)が54件で1位となり、以降、創未來科技(Tron Future Tech Inc.)22件、台亞半導體(Taiwan-Asia Semiconductor Corporation)14件、台達電(DELTA)13件、神基科技(Getac)12件と続いた(図5参照)。このうち創未來科技と台亞半導體は初めて上位5位以内にランクインし、件数も各社の歴代最多であった。
(三)教育機関による特許出願の件数上位10出願人
台湾の教育機関による特許出願は459件となった。出願件数上位10出願人は、国立成功大学が40件で1位となり、以降、崑山科技大学26件、中興大学22件、国立陽明交通大学及び明志科技大学各21件、国立台湾大学19件、国立清華大学17件、国立台湾科技大学及び台北医学大学各16件、南開科技大学14件と続いた(表1参照)。このうち崑山科技大学は私立の教育機関として最高位であり、台北医学大学の出願件数は同大学史上最多となった。
(四)研究機関及び国営事業による特許出願
台湾の研究機関による特許出願は124件で、工業技術研究院(ITRI)が42件で最多であった(表2参照)。台湾の国営事業による特許出願件数は20件で、台湾中油が8件で最多であった。
三、外国出願人による専利出願状況
(一)特許出願人の国籍分析
外国出願人による特許出願は7,919件で、上位5か国(地域)は、日本が出願件数3,150件で1位となり、以降、米国1,825件、中国952件、韓国826件、ドイツ219件と続いた(図3参照)。このうち日本、米国及び中国の出願件数はいずれも増加し、特に米国は2年連続で増加した。台湾が世界の技術サプライチェーンにおいて重要な役割を果たしていることが明らかであり、ますます多くの外国企業が、自社の技術優位性と市場競争力を確保するため、台湾を選んで特許を取得している。
(二)外国出願人による特許出願の件数上位10出願人
外国出願人による特許出願の上位10出願人は、米国のアプライド・マテリアルズ(Applied Materials)が出願件数302件で1位となり、以降、順に、日本の東京エレクトロン217件、韓国のサムスン電子(SAMSUNG)197件、米国のクアルコム(Qualcomm)155件、韓国の韓領(クーパン)152件、日本のキオクシア130件、日本の信越化学106件、日本の日東電工91件、日本の富士フイルム88件、日本のレゾナック64件と続いた(図4参照)。
アプライド・マテリアルズは2年連続で首位となり、同社と日本の信越化学の出願件数は、共に単一四半期当たりの史上最多を記録した。半導体設備と材料分野のリーディングカンパニーが積極的に台湾で特許を出願しており、台湾市場に対する重視とポートフォリオ展開を深化する意図が反映されている。
(三)意匠出願の国籍分析
外国出願人による意匠出願は833件で、上位5か国(地域)は、日本が223件で最多となり、以降、中国146件、米国118件、スイス116件、フランス68件と続いた(図3参照)。そのうち日本、スイス、フランスの件数はいずれも増加しており、特にスイスとフランスの増加率は5割を超える著しいものであった。
(四)外国出願人による意匠出願の件数上位5出願人
外国出願人による意匠出願の件数上位5出願人は、中国の北京石頭世紀(BEIJING ROBOROCK TECHNOLOGY CO., LTD.)及びスイスのハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON S.A.)が各35件で最多となり、以降、スイスのWonderland Switzerland AG及びフランスのルノー(RENAULT S.A.S)が各27件、フランスのルイ・ヴィトンが17件と続いた(図5参照)。上位5出願人による出願件数は、中国の北京石頭世紀以外いずれも増加した。このうち、フランスのルイ・ヴィトンが上位5位以内に初めてランクインし、その件数は同社の史上最多記録となった。
四、商標登録出願状況
(一)台湾人による商標登録出願の件数上位10出願人
台湾人による商標登録出願は21,305件で、上位10出願人は、富邦人寿が360件で1位となり、以降、統一企業137件、台鋼運動行銷股份有限公司105件、龍巖(Lungyen Life Service Co., Ltd.)100件、金利華食品82件、星翰有限公司76件、大云永續科技(Chase Sustainability Technology Co., Ltd.)72件、冠軍建材(Champion Building Materials Co. Ltd.)65件、極光創視有限公司(AURORA VISION CO., LTD.)64件、逸點亦旅股份有限公司(Eylandt Resort Company Limited)が60件と続いた(表3参照)。上位10出願人のうち統一企業以外はいずれも増加傾向となった。
(二)台湾人による出願の区分
台湾出願人による出願の上位3区分は、順に、第35類(広告、企業経営等)4,219件、第43類(レストラン、宿泊施設等)1,849件、第41類(教育、娯楽)1,848件となった(図7参照)。サービス業の市場の発展を反映し、主に広告、小売サービス及び飲食の分野でポートフォリオが構築されている。
(三)外国出願人の国籍分析
外国出願人による商標登録出願は5,733件で、上位5か国(地域)は、中国が1,687件で最多、以降、日本872件、米国774件、韓国606件、香港245件と続いた(図6参照)。香港以外の国(地域)の出願件数は増加しており、2年連続で増加しているところが多い。台湾市場への前向きな投資と積極的なブランドのポートフォリオ展開が示されている。
(四)外国人による商標登録出願の件数上位10出願人
外国人による商標登録出願の件数上位10出願人は、中国の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)が71件で1位、以降、中国の北京光線(Beijing Enlight Pictures Co., Ltd.)36件、韓国の杰偉品(JYP)及び中国の華潤(CHINA RESOURCES INTELLECTUAL PROPERTY MANAGEMENT CO., LTD)各34件、フランスのロレアル(L’OREAL, S.A)28件、ドイツのオスピカ(OSYPKA MEDICAL GMBH)及び中国の黃承芳(各26件)、シンガポールのPOP MART(POP MART (SINGAPORE) HOLDING PTE. LTD.)25件、米国のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb)23件、中国の全棉時代(Purcotton)22件と続いた(表4)。上位10出願人のうちフランスのロレアルは例年並みだったが、それ以外はいずれも増加した。
(五)外国人による出願の区分
外国人による出願の上位3区分は、順に第9類(コンピュータ及びテクノロジー製品等)1,015件、第35類(広告、企業経営等)695件、第3類(化粧品、洗浄剤等)620件となった(図8参照)。外国人は主に情報科学技術、小売サービス、日用品の分野でポートフォリオを構築しており、台湾市場の消費のポテンシャルを見込んでいることが読み取れる。
(六)産業別分析
台湾が受理した商標登録出願は、「農業食材」が6,323件で全産業の中で1位となり、以降、「商業金融」5,590件、「ヘルスケア」5,502件と続いた(図9参照)。
商標登録出願の上位3産業に関しては、台湾出願人の場合、「農業食材」が5,347件で最多であり(図10参照)、主にレストラン及び宿泊サービスの商標登録出願であった。外国出願人の場合は「ヘルスケア」が1,607件で最多であり、2021年第1四半期以降で初めて「技術研究」(1,595件)を上回ることになった(図11参照)。
また、台湾出願人の上位3産業「農業食材」、「商業金融」、及び「ヘルスケア」、外国出願人の「ヘルスケア」、「技術研究」、及び「服飾装飾品」の全てで、出願件数が増加した。出願人が健康、飲食及び金融に関する商標のポートフォリオ展開を重視していることが分かる。
注:上述の統計データの出願人及び国籍ランキングは、出願の「第1出願人」を計算の基礎とする。
2025年第3四半期の「四半期統計表」は、智慧局サイトの「季統計(四半期統計)」(https://www.tipo.gov.tw/tw/tipo1/181.html)を参照。
※本文章は『台湾知的財産権情報サイト』から転載されたものです