台湾税関が実施した知的財産権水際保護の2023年度の実績
台湾財政部関務署は、知的財産権保護の実施を政府の重要な施策目標として挙げており、知的財産権侵害貨物の輸出入の根絶のため、税関では従来積極的に水際摘発を行っている。2023年に水際摘発された知的財産侵害事件は合計326件で、そのうち323件が輸入で全体の99.08%を占めており、模倣品の数量は8万7千件以上に上り、権利侵害市場価格は6億9千万台湾元(約32億9千万円)となり、摘発の成果は素晴らしいものとなった。
商標法4条1項10号の該当性が争われこれを認めた事例
事案の概要 原告は、被告の有する商標登録(「地球グミ」(標準文字)登録第6525426号 出願日令和3年12月16日 指定商品30類「グミキャンディ」)について、商標法4条1項10号、19号違反を無効理由として、無効審判(2022-890049)を請求した処、特許庁は不成立審決をしたため、知財高裁に対し、審決の取消しを求めて本件訴えを提起した事案である。
「EUにおける2022年の模倣品押収状況と模倣品対策に向けて
欧州連合知的財産庁(EUIPO)と欧州委員会の税制・関税同盟総局(DG TAXUD)は、2022年のEUにおける模倣品押収に関する年次報告書を発表した。ここでは、その主な調査結果の一部を要約する。
「ジョニー・ジョニー・イエス・パパ」は音商標に不適格
「きらきら星」のメロディで歌う子供向けの英語の歌「ジョニー・ジョニー・イエス・パパ:Johny Johny Yes Papa」は多くの人に親しまれている。
権利行使制限規定に該当するとして商標権侵害請求が棄却された事例
事件の概要 本件は、原告が、被告に対し、被告標章「熱中対策応急キット」を付した商品の販売及びその広告に被告標章を付する行為は、原告の有する本件商標権(下掲参照)を侵害するものとして、商標法36条に基づき、前記販売等の行為の差止めを求め、被告商品及びその広告から被告標章の抹消を求めるとともに、損害賠償金等の支払を求めた事案で、争点として、(1) 本件商標の法3条1項3号に基づく無効理由の有無(争点1) 、(2) 被告標章の法26条1項2号、6号該当性(争点2、3)、 (4) 本件商標権に基づく本訴請求は権利の濫用に当たるか(争点4)である。